自分に何かひとつでも才能があればと思う。
絵が上手いとか、足が速いとか、野球が得意だったりとか。
詩が書けたり、歌が上手かったり。

なんでもいい
ちょっとしたことでいい
何か飛び出たものがあればと思う。

一般的なものじゃなくてもいい。
目に見えないものでもいい。
形にならないものでもいい。
記録に残らないものでもいい。
それでも何か光るものがあればと思う。

「好きこそものの上手なれ」ってあるけど
私はこの言葉が嫌い。
好きだけど、できないこともある。
好きだけど、得意ではないものがある。
好きと得意が重ならないとはなんとも悲しい事よ。

私は絵を描くことが好き。
チラシの裏に白紙を見つけたら、飛びついて絵を描く。
ペンを持ったら雑誌にでも本にでも何にでも絵を描く。
勉強をしているときでさえ、ノートの端に絵を描く。
だけど、上手くはない。
上手にはなりたい。
だけど、何度描こうとだめだ。
もうこれは練習が足りないとか努力が足りないとかじゃなくて
才能の問題なんだと思う。うん、思いたい。

たくさんの人たちの絵を見て、私には真似でも描けないと思った。
完成図を頭の中で描いて、図に基づいて絵にしていく。
これを使えばああなる。あれをこう使うとそうなる。
そんな道具の感じもきっと把握している。

私には真似できない。私には描けない。
私は完成図を組み立てることが出来ない。
適当に描きたいままに描く。
まずここから違う。
だから、私には好きでも絵を描く才能は無いんだと思う。

大体、私は何かを創造するのは苦手。というか出来ない。
何もないゼロから何かを創り出すことなんて出来ない。
そもそもゼロから何かを創りたいとは思わない。

私は所詮、二番煎じでしかない。
前人がいない時点で怖じ気づいてしまう。

じゃあ何が得意だろうか。
そもそも才能とは何なんだろうか。
物事をうまくなしとげるすぐれた能力。技術・学問・芸能などについての素質や能力…。
辞書にはそうあるが、私としては生まれついての能力だと解釈する。

生まれつき、としたらたとえ９９％努力しても成し得ないと言うこと。
生まれてしまってからは何も出来ない。

人には必ずひとつやふたつ…いやひとつは才能と呼べるもの、ことはあると思う。
私にも必ず。
ただそれがなんなのかは分からない。
もしかしたらこれからも分からないかも知れない。
死ぬまで分からないかも知れない。
それじゃあ意味が無い。

目に見えないものだから
探すのは大変そうだな。

そもそも努力をしないで
才能だけに頼ろうとしてる時点で
私は馬鹿なんだ。